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伝説の国語教師

―教科書は一切使わず『銀の匙』を3年間かけて読み込む、伝説の国語の授業―

テレビや新聞、雑誌などのメディアで何度も紹介された「灘校、伝説の国語教師」の
橋本 武さんがお亡くなりになりました。享年101歳。

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私、橋本先生の事を存じ上げませんでした。
今回の訃報にて「伝説の授業」の存在を知り、少し調べさせて頂きました。

驚いたのは、かの『大漢和辞典』の編纂に関わっていらした事です。

東京高等師範学校へ進んだ時に、諸橋轍次氏の補助の仕事や、
『大漢和辞典』の編纂の仕事を手伝うようになったそうです。

『大漢和辞典』・・やはり携わる人達も凄いです。

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『銀の匙』の授業風景・・・

文庫本の一節を朗読した後、生徒達に色とりどりの駄菓子を配る。
生徒達は駄菓子を食べながら、ふたたび、先生の朗読を聴く。

――青や赤の縞になったのをこっきり噛み折って吸ってみると――

主人公が駄菓子屋で飴を食べる場面が、先程とは違って感じられ、
「こっきり」という言葉が、今度は身体で理解出来るようになる。

凧揚げの場面では、実際に凧を作って揚げてみたこともあったそうです。

こんな楽しい横道もまじえながら・・
一つの言葉の意味を徹底的に調べて討論し合ったりと、
体感型の授業だったそうです。自分で調べた事が何より財産になる、と。

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『銀の匙』は、夏目漱石も「きれいな日本語」と絶賛した、
美しい文章の代名詞のような作品です。

『銀の匙』は、私の本棚にも眠っています。

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中学生くらいの時に買ったような・・高校生かな?あれ大学か?
とにかく・・・学生時代のどこかで買いました(^^;)

そして、読んでいない。

好きな本は、いったん手元に置いておく事で安心し、
いつか読もうとそのままにしている事が少なくありません。

本ってすぐに無くなりますから!!
本当に自分に必要だと感じるものは、出会ったその時に買っておかねば!
たとえ今すぐには読まなくとも。。。

『銀の匙』読んでみようかな、読むときが来たのかな。

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先生は、人生で5回ほど生死の間をさまよう事があったそうです。
代表的なエピソードとして、腹膜炎にかかった時の話がありました。

中学3年の時慢性腹膜炎にかかり、1学期間ずっと学校を休んでいた時、
退屈しのぎに、家にあった『主婦之友』を読んでいると、
特集記事に「家庭療法」があり、腹膜炎の療法が載っていたそうです。

米酢に生卵を殻ごと漬けておき、殻が柔らかくなったら殻は捨て、
残りを混ぜたものを1日3回服用するというもの。

それを実践した結果、腹膜炎は治ってしまったそうです。

同時期に近所で腹膜炎にかかった同じ年頃の女の子が2人いて、
同じ病状で、同じ医者にかかり、同じ治療を受けていたのに、
治ったのは橋本さんだけだったそうです。

やはり、家庭療法をあなどってはいけませんね。

「家庭療法」と『銀の匙』、
ふたつの大切なもの、思い出させて頂きました。

天・地・小口、日焼けあり手アカなし
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新しいものはもう古い。古いものは新しい。
昔ながらのお灸とはり 四ツ橋の隠れ家鍼灸院


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